ボスの背中

a0007078_1228.jpg3年程前の夜、私と夫は、踏切りの前で電車が通り過ぎるのを、待っていた。警報機が鳴っている間、ふと横を見ると、大きな猫が1匹、いた。私と夫は、びっくりして、まじまじと、彼を見た。
電車が通過し、遮断機が上がると、猫も腰を上げて、ノシノシと渡りはじめた。「チュッチュッチュ。」って呼んだけど、一度、ギロリってこっちを見たっきり、2度と振り向かなかった。去って行く背中は、ちょっとカタギじゃない感じで、すぐにボスだってわかった。
その日以来、ちょくちょく、彼を見かけた。縄張りをパトロールしてオス猫をおどしたり、メス猫にネコパンチをくらったり、枯れ葉の中で寝てたりする姿を。
先日歩いていたら、正面から彼が来た。写真を撮ろうとかまえたら、左目が、かさぶたで潰れてた。一瞬、躊躇してしまい、カメラがぶれた。彼が突進してきたので道を開けると、体に似合わない小さな目で、ギロリと一瞥して、去っていった。
その時、野良猫の現実を見たような気がした。いつか、そう遠くない将来、ボスより若くて強い猫が、彼を倒す日がくる。でも、それは人間の感傷か?彼は毎日、淡々とパトロールして、オス猫をおどし、メス猫を追いかけてるようだ。相変わらず、イキな背中で。
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by privatecafe | 2004-05-08 12:03 | CAT&DOG